2度目のありがとう。

僕はカフェで週に5,6回働くアルバイターだ。

基本的にはモーニングの時間帯に働いているので、

平日に接客するお客さんの大半はサラリーマンである。

しかし、土日祝日はお出かけ前の家族であったり、女子高生だったり、様々なお客さんが来る。

 

あれは7月1日(土)の朝だった気がする。

いつも通り出勤をしてオープン作業をしていると、お店の前にはいつもの常連さんの他に3人家族(母、おじいちゃん、息子)が開店を待っていた。

 

7時、いつも通りお店を開けると、常連さんと母であろう人が話しながら入店してきた。おしゃべり好きな常連さんなので開店を待っている間にお話でもしていたのだろう。

「ご親切にありがとうございます」なんていう母の言葉も聞こえたりした。

これは僕が週に5回、あるいは6回やらなければいけないことなのだけれど、

ラージサイズのホットコーヒーを常連さんに渡す代わりに400円とポイントカードを受け取る。

 

それから3人家族や他のお客さんの接客をして30分程経った頃だろうか、

お店を出ようとしている常連さんに母は「本当にありがとうございました」と声をかけていた。僕が母の口から”ありがとう”を聞いたのは2回目だ。

 

少しお店が落ち着いてきたので、家族の会話を失礼ながら、というかこの母の声があまりにも大きすぎるため、聞くことにした。

何時の電車に乗るだとか、おじいちゃん足は大丈夫だとかそういった類のまあ普通の会話だったのだが、一つ気になる会話があった。「お姉さんにありがとうを言うのを忘れちゃった」というものだ。

 

どうやら家族が電車に乗った際に、若いお姉さんがおじいいちゃんに席を譲ってくれたそうだ。家族なのかお姉さんなのかどちらが先に降車したのか、一緒の駅で降りた場合もあるのだけれど、とにかくこの母はその際にもう一度お礼を言うのを忘れてしまったそうだ。

 

電車の中での『ありがとう』のエピソードは僕にもある。

5月末だった気がする。僕は水道橋へ向かうために日吉駅から目黒線に乗った。普段はあまり座ることはないのだが、その時は就職活動真っただ中で、履きなれない革靴による足の痛みに耐えきれず座ることにした。

目黒駅で多くの人が乗車した。僕は一人のお姉さんに席を譲った。お姉さんが綺麗だったから譲ったのではなく、赤ちゃんを抱えていたからだ。

「ありがとうございます」反射的に彼女は僕にそう言った。綺麗な人だったので少し恥ずかしかった。

僕は扉付近に立ちながら赤ちゃんいるのに綺麗なんて旦那さんは幸せだなとか、

くだらないことを考えていた。

そうこうするうちに電車は水道橋に到着し、扉が開くのを待っていた僕の肩に何かが触れる。

振り返ると綺麗なお姉さんが立っており「席を譲っていただいてありがとうございました」と声をかけてくださった。2度目のありがとうである。

普段同じ人に2回も”ありがとう”と言われることなどないし、ましてや席を譲っただけなのに”ありがとう”と言ってもらえて心が満たされた。

 

この2つのエピソードから僕が学んだことは、2度目のありがとうの大切さである。

席を譲って貰ったり、何かを拾ってもらったり、手を貸してもらったりしたとき大抵の人は反射的にもしくは義務的に”ありがとう”を口にするのではないだろうか。

しかし2度言う人は多くない。言っても言わなくても、不幸なことが起こるわけでも、ましてや死ぬわけでもないのだけれど、僕は伝えられるのであれば2度目のありがとうを言いたい。

言われた側はおそらく気持ちがいいし、何ならその日一日はもっといいことしてみようかなとか、頑張ってみようかなって気持ちになれたりするのではないだろうか。そして言う側も一緒であろう。

本当に感謝しているのであれば心を込めた2度目のありがとうを言ってみよう。お互い明るい一日を過ごせる気がする。

そうやって一日の中で発せられる”ありがとう”が少しずつ増えていくことで世の中は明るくなっていくのではないだろうか。

 

なんとなくいい話をした後に文句を言うのはどうかと思うが、カフェなど自分たち以外にも人がたくさんいる場所で大声を出すのはよくないと思う。だから最初に出てきた母は”ありがとう”は何度でも、どれだけ大きな声で言ってもいいが、少し声のボリュームを落とすように。

ええかっこしたいが原動力。その1。

初めまして、一景と言います。

本日からブログを書いていこうと思います。

 

さて、今回のタイトル

 

"ええかっこしたいが原動力"

 

です。

 

 

昔から目標に向かって頑張る際、

そこにはええかっこしたい

という気持ちがありました。

今までの人生を振り返り、

自分がどんなことにどのような理由で

力を入れることができたのかを

振り返るためにも

記していきたいと思います。

 

今回は、中学時代。

3年生の時のお話です。

 

15歳の一景少年は初めて恋をしました。

背が低く、頑張り屋

真面目そうに見えて勉強はあまりできない

たまちゃんですね。

 

自分の容姿が他人よりも劣っていることに

気づいていた僕は

「勉強できりゃええかっこできるやろ」

そう思ったんですね。

男ってのは単純なんですかね

それから放課後には4、5時間

休日にも図書館に行って勉強をしましたね。

 

田舎の公立中学だったので

勉強に力を入れている子は少なく

見る見るうちに順位が上がりましたよ。

すごいですね、ええかっこしたいの力。

クラスで1番、学年でも3番になれました。

 

力が付けば周りは頼ってくれるんですね。

色んな人が僕に質問してくれました。

もちろんたまちゃんも含めて。

たまちゃんとの距離も

だいぶ縮まってきました。

 

「好きな人おるん?」

ついに来ました。

当時の僕は勝利を確信しました。

単純ですね。

 

この恋の行方を書くと

長くなってしまうので結果だけ書くと

彼女は僕の友人、しょーたくんのことが

好きだったんですね。

ただ恋ばなのきっかけ作りの発言でしたと。

残念、一景くん。

 

まぁ恋には破れましたが

この"ええかっこしたい"のおかげで

中学レベルの学力がかなり身についたんです。

 

僕だけではないと思うんです、

この"ええかっこしたい"

から生まれる力に助けられた人は。

 

だからこれからも僕は

ええかっこするために

目標を立てて生きていきたいと思います。